行事
一水会若手会勉強会−公正取引委員会のガイドラインの読み方−

57期  古川知祥
 平成17年3月30日、大阪弁護士会館にて、石川正先生を講師にお招きして、一水会若手会勉強会が開催されましたので、以下ご報告させていただきます。

今回の勉強会は「公正取引委員会のガイドラインの読み方」というタイトルがついておりまして、案内にも「独占禁止法に初めて接する人たちにもわかりやすい講義」と紹介されていましたので、大学生時代や修習生時代に全く独占禁止法を勉強していなかった私は、迷わず受講の申し込みをいたしました。独禁法で有名な石川先生の講義だけに、会場には、独禁法を普段の仕事の中で手がけた経験のある先生から私のような全くの初心者まで多くの先生が詰め掛け、独禁法への関心の高さがうかがえました。

講義内容の詳細については割愛させていただきますが、「仕事時間(起きている時間からお酒を飲んでいる時間を引いた時間だそうです。)の3,4割は独占禁止法関連に費やしている」石川先生の講義は、実務経験に裏打ちされた具体的なお話ばかりで、独禁法の魅力や重要性が我々に痛いほど伝わってくるものでした。かつ講義内容はふれこみ通り、全く独禁法の勉強をしたことのない初心者の私でも具体的に理解できるほどわかりやすいものでした。また、タイトル通り、独禁法の事例を考える上で重要なガイドラインについて、その検討の仕方を説例と資料をあげて解説され、独禁法の勉強や案件を検討する上でのとっかかかりを示していただきました。

石川先生は、講義の中で何回も「独禁法はあらゆる取引に関わってくる。独禁法を知らなければ、企業の人からの法律相談なんて怖くてできない。」、「独禁法を知らなければビジネスロイヤーとはいえない。」とおっしゃられておりました。競争を善とする独禁法は、取引には必然的についてまわる法律であるからです。にもかかわらず、日本には独禁法を得意とする弁護士が多くないのが現状だそうです。日本では戦後に導入された法律であるため、大学等で本格的に研究され、講義されるようになった時期が遅かったことが原因です。そこで、石川先生は、講義の最後に我々に、「独禁法を勉強して私のCompetitorになってほしい。Competitorが増えれば、独禁法のマーケットも広がるはずだ。」と檄を飛ばされました。

講義は、約2時間半でしたが、この時間は石川先生の独禁法に対する熱い想いを語るにはあまりにも短く、石川先生はまだまだ話したいという気持ちで、我々はもっと深く聞いてみたいという気持ちのまま終了せざるを得ませんでした。その後、場所を居酒屋に変えて石川先生を囲む会が行われたようですが、私は残念ながら用事があり、参加できませんでした。囲む会では、お酒が入って本領発揮となった石川先生が、独禁法のみならず弁護士業そのものに対する熱い想いを若手に語られたに違いありません。この会に参加できていれば、もっと有意義なお話を聞けて、ここでも面白い報告ができたのに…と思うと残念でなりません。

最後に、石川先生及び若手会世話役の皆様には、有意義な勉強会を企画していただき、心より御礼申し上げます。これからも、このような有意義な企画がなされることを期待しております。
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